仁城さんインタビュー

11月 4, 2015 § コメントする

IMG_9607来週12日〜から仁城義勝さんの個展がはじまります。仁城さんの漆は5年前のオープン当初より扱わせていただいていましたが個展は今回がはじめて。漆というとよそゆきの器、ハレの日のものと敬遠する方も多いようですが、仁城さんの漆は日常の道具。木のあたたかさと美しさに満ちています。会期に先立ち岡山の工房にうかがい、仁城さんのものづくりの背景をうかがってきました。長文ですが、ご一読いただけると幸いです。

IMG_9553copse(以下c)—-仁城さんの器は木を削るところから漆まですべて手がけていらっしゃるのが特徴ですね。しかも丸太から仕入れて‥‥倉庫に膨大に保管されているんですね。

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仁城—修行した富山の工房が丸太から仕入れて乾燥させるところからしていたので、僕には当たり前のことだと思っています。ただ丸太で購入しても5〜6年寝かさないと使えません。もちろん乾燥の過程で割れたり反ったりすることもあれば、製材してみると虫食いや腐っているところが見つかることもあったりで、正直歩留まりが悪いです。製材所からすぐ使える材料を買ったほうがよほど効率はいいでしょう。IMG_9570でも、丸太からつくることに意味があるような気がしているんです。製材するたびに木の命をいただいているという気持ちになり、命へのいとおしみが湧いてきます。自分の命は100年にもなりませんが木の命はもっと長い。丸太を前にすると、人間のエゴやおごりに気づかされたり、教えられることがたくさんあります。

c—木を無駄にしないよう、木取りにも配慮されているんですよね。

仁—丸太は薄い素材と厚い材料に製材します。厚い材料で椀や鉢物を、薄い材料はお皿を挽きます。製材するときにできる端材は四角いお重にします。お椀が売れるからといってお椀ばかり作ると端材が取れなくなる。わざと端を残すことで木を無駄なくつかうことができるし、バランス良くいろんな作品をつくることにもつながっています。もともと30年前に生地屋としてスタートして、最後まで自分で作りたいと思って仕上げ(漆)まで手がけるようになりましたが、やはり木をいかに大切にするかという思いがあります。

FKochc—材料はトチと栗の2種類を使われていますね。

仁—木はどうしても存在感が主張が強いのですが、トチは木目が控え目ななので気に入っています、木目が静かだから漆で仕上げたときも漆を喧嘩しないでお互いが主張しすぎることがない。一方、栗は力強い木目が魅力。トチだけでは物足りないときに栗を少し使う感じですね。使えるものを作りたいという思いがあるので、自分が主張するようなものづくりが苦手で、素材の持っているものを生かして誰にでも馴染む姿にしたいと常に思っています。

c—仁城さんの漆はシンプルですが木目が透けて見えて、それがひとつひとつの個性となっている気がします。

IMG_9626仁—手を加えすぎないようにして、完結する前の一歩引いた状態にして仕上げるようにしています。完結してしまうと料理を入れたときに器が勝ってしまう。逆にぼけてしまうと料理まで殺してしまう。あくまで主役は料理で器はそれを支える存在なんです。「つくることをつくらない」というか「つくるらないことをつくる」のが僕の目標なんです。繰り返しになりますが、主張をできるだけ消したい。僕が僕がという存在をつくりたくないし、そんな人生もまたつまらない。ただ凡々としているだけでいい、精神的なつながりが根っこにあればそれで十分ではないかと思っています。

c—つくられる器は定番の形が基本になって、後から同じものを買い足せるのも魅力です。

IMG_9618仁—自分で考えて形を生み出したというより、要望されたり、木の出会いから少しずつ増えてきましたが、定番のアイテムをつくるだけ。毎年新作を発表するようなこともなく極めて地味なものづくりです。器は使う人のもの。料理を盛り付けて初めて完成するものであってほしい。オブジェやアートとは違う、あくまで生活の道具を目指しています。じゃあ、ただの容器でいいかというと、それは違います。〝器〟という言葉は大器晩成とか、あの人は器が大きいとか、人と同義語として使うことがありますよね。機能だけではなくそこにに精神性が加わってはじめて器になるのではないかと。単なるものとして扱ったら精神性は失われてしまいます。これは使う人の問題ではなく、つくる者の問題。木のように個体として完結しているものを扱う場合はなお、そういう気持ちで向き合わなければならないと思っています。
thcwbc—これまでお椀やお皿など、アイテムの一部しかご紹介できてないので、今回は幅広い作品を見ていただく機会をいただけ本当に楽しみです。

仁—冬の間に荒取りや木取りをして、その後7月ごろまで木地づくり、夏は漆塗りをして秋は販売と、3ヶ月ごとにそれぞれの作業に集中します。一年のうちほとんどこもっていますが、秋はあちらこちらにおじゃまして、各地でみなさんにお会いするのが楽しみです。お店(copse)うかがうのは初めてですが、どうかよろしくお願い致します!

*仁城さんは12日と13日に在店くださいます。13日18時半〜仁城さんのお話会も予定しています(食事つき、¥2000+tax)。仁城さんからものづくりのお話しをうかがえる機会にぜひ、いらしてくださいませ。

*今週は通常営業。土曜までのランチはじゃがいもの煮っころがし/ブロッコリーの豆乳スープ/ピーマン丸焼きなど。来週のランチはお休みです。

11〜12月

 

 

 

 

 

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